親族内承継のタイミング

親族を後継者として事業承継を行う「親族内承継」のタイミングについて解説していきます。

「後継者が決まってさえいれば心配ない」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、事業承継には多大な時間がかかります。
時間に余裕をもって、かつ段階的に事業承継をしていかないとトラブルを招きかねません。

親族内承継によくあるトラブルとして次のようなことが挙げられます。

○経営者の健康状態が悪化し、後継者が突然、事業を承継することになった
○経営者の方がいつまでも経営者に居座り続け、後継者とトラブルになった
○後継者以外の親族と相続に関してトラブルとなった

いずれも事業承継の準備不足や認識不足が原因となるトラブルです。

経営者としての心構えや力は一朝一夕で身に付くものではありません。

現経営者の方が「自分がいる間は自分が経営する」と経営を続けることは少なくありません。
後継者を育てないまま、経営者の方に健康に万が一のことがあれば、円滑に事業承継ができず、会社の経営に大きな影響を及ぼします。

そうならないために、計画的に事業承継を行う必要があるのです。

事業承継には10年程度の時間がかかるものだと思って取り組むことをおすすめいたします。
会社の状況を把握し事業承継の計画を作ること、社内外からの理解を得ること、後継者の教育をすること、こうしたことを同時並行的に進めながら、実際の経営権や株式を少しずつ移譲していきます。

事業承継は相続にも深く関係してくる部分ですから、相続対策も必要になります。節税対策も検討しなければなりません。
このように事業承継はやることが多く、時間もかかるということを強く認識しておく必要があるのです。

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