事業承継税制のメリット・デメリット
事業承継とは、会社を経営する権利を後継者に引き継ぐことを指します。
中小企業が日本の経済や社会を支えていると言っていいほどに多数の中小企業が日本にはあります。しかし、日本の中小企業は、問題を抱えています。それが後継者問題です。
日本の中小企業は、経営者の高齢化により、後継者が見つからず、引き継がれない会社が多数出てくると見込まれています。
この問題を解決するために、「親族内承継」、「社内承継」、「外部から招聘した第三者への承継」、「M&Aによる第三者承継」の4種類の方法により事業承継が行われています。
この事業承継をする際、多額の贈与税・相続税がかかると、予想外の支出で経営が圧迫され、円滑に事業承継することが難しくなります。
この問題の解決のために事業承継税制が存在します。この記事では事業承継税制について解説します。
事業承継税制を活用すると、一定の要件を満たすことで、後継者が取得した非上場の自社株式にかかる相続税や贈与税の納税猶予がスタートします。
この後、一定期間にわたって要件を満たすことによって、納税猶予された税額が免除されます。
この事業承継税制には、一般措置と特例措置の2つが存在します。以下に要件を整理します。
①一般措置
・対象株式:発行済議決権株式総数の3分の2まで
・適用期間:なし
・特例承継計画の提出:不要
・納税猶予割合:贈与100%、相続80%
・後継者:筆頭株主である後継経営者1人のみ
・雇用確保:5年平均で相続・贈与時の80%以上を維持
・相続・贈与から5年後以降の減免要件:民事再生や会社更生の際、その時点での評価額で相続税・贈与税を再計算し、超える部分の猶予税額を免除
②特例措置
・対象株式:全株式
・適用期間:2027年12月31日まで
・特例承継計画の提出:必要
・納税猶予割合:どちらも100%
・後継者:持ち株10%以上の後継経営者3人まで
・雇用確保:実質撤廃
・相続・贈与から5年後以降の減免要件:「経営環境の変化を示す一定の要件」を満たす場合、譲渡や合併による消滅・解散時にも一般措置と同様の減免を導入可能
上記の要件を満たすことで税額の免除を受けることができるのです。
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