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株式会社を親族に事業承継するときの注意点とは?

会社の経営を親族に引き継ぐ「親族内承継」は、多くの日本企業で伝統的に選ばれてきた方法です。

この手法は、会社の経営理念や技術をスムーズに受け継ぐことができる一方で、後継者の資質や、他の親族との遺産分割を巡る問題など、さまざまな課題をはらんでいます。

この記事では、親族内承継のメリットとデメリット、そして円滑な事業承継を実現するための手続きと注意点について解説いたします。

親族内承継とは?

親族内承継とは、会社の経営権や所有権を、現経営者の子どもや兄弟、甥姪といった親族に引き継がせる事業承継の方法です。

後継者や会社の株式、事業用資産を親族に引き継がせることで、会社の存続と発展を図ります。

親族内承継は、日本の多くの中小企業で一般的な事業承継の形態で、中小企業の事業承継の32.2%を占めます。

親族内承継のメリット

親族内承継には、いくつかのメリットがあります。

まず、後継者教育に十分な時間を確保できる点です。

事業承継する前の早い段階から会社の経営や事業に触れる機会が多く、長期間にわたり経営者としての資質を育成することができます。

また、従業員や取引先からの理解も得やすいです。

現経営者の親族が後継者となるため、従業員や取引先が後継者を受け入れやすく、信頼関係をスムーズに構築できます。

加えて、経営理念や事業のノウハウを継承しやすい点もメリットです。

創業者精神や長年培ってきた技術が途切れずに引き継がれ、会社の安定した経営を維持できます。

相続対策と一体で進められる点も利点です。

事業承継と相続を同時に検討することで、より効率的な計画を立てられます。

親族内承継のデメリット

親族内承継には、いくつかのデメリットも存在します。

親族内に後継者が見つからない、または経営者としての能力が不足している場合です。

後継者の資質が不十分な場合、事業が立ち行かなくなるリスクがあります。

また、後継者間での争いが起こる可能性もあります。

遺産の分け方を巡って、後継者となる子どもと、後継者とならない他の子どもとの間で対立が生じることがあります。

さらに、相続税や贈与税の負担が大きい点もデメリットです。

非上場株式は、評価額が高額になることが多く、後継者の納税資金の確保が大きな課題となります。

外部の視点が入らないことによる、経営の硬直化や旧態依然とした体制が続くリスクも挙げられます。

親族内承継の流れ

親族内承継は、計画的に進めることが不可欠です。

まず、後継者の選定と育成を行います。

事業承継の第一歩として、後継者を決め、経営者としての資質を育成する期間を設けます。

次に、経営権の移譲です。

後継者に段階的に権限を移譲し、円滑な経営交代を目指します。

そして、財産権の移譲です。

株式や事業用資産を後継者に引き継がせます。

この際、後継者の納税負担を考慮した方法を選択することが重要です。

最終的に、後継者が会社の代表権を握り、事業を引き継ぐことを周囲に周知します。

親族内承継で株式を渡す方法

親族内承継で株式を渡す方法には、いくつかの選択肢があります。

まず、自社株式を後継者に売却する方法です。

メリットとしては、現経営者が生きている間に行うことができるため、相続トラブルが発生しにくいことが挙げられます。

一方で、デメリットは、後継者が株式を買うための資金を用意しておく必要がある点です。

次に、相続です。

遺言書を作成し、後継者に株式を相続させる方法です。

相続税の負担について検討する必要があります。

そして、生前贈与として株式を無償で渡す方法です。

メリットは、贈与によって段階的に株式を渡すことができる点です。

この場合、贈与税の負担について考慮する必要があります。

贈与税は相続税よりも税率が高くなるため、最終的に相続よりも多くの税金を支払うことになる可能性があります。

また、種類株式を活用する方法もあります。

議決権のない株式や特定の権利を持つ株式を発行することで、後継者に経営権を集中させつつ、他の親族にも財産権を残すことが可能です。

税金の負担を軽減するため、事業承継税制の活用も検討すべきです。

親族内承継の注意点

親族内承継を円滑に進めるためには、いくつかの注意点があります。

1つ目は、株式の公正な評価です。

株式の評価額を巡るトラブルを避けるために、専門家による客観的な評価が必要です。

通常よりも株式評価額を安く算定し後継者に売却してしまうと、差額を贈与とみなされ贈与税が発生する場合があります。

2つ目は、遺留分への配慮です。

株式の贈与や相続が他の相続人の遺留分を侵害しないように、遺言書を作成することの重要性を理解しておくべきです。

3つ目に、納税資金の確保も大きな課題です。

後継者が多額の税金を支払うための資金をどう確保するか、事前に計画を立てる必要性を認識しておく必要があります。

まとめ

親族内承継は、会社の経営理念やノウハウを円滑に継承できるというメリットがある一方、後継者問題や相続税の負担といったデメリットもあります。

円滑な承継のためには、後継者育成の計画、財産権の移譲、納税資金の確保など、計画的な準備と専門家のサポートが大切です。

親族への事業承継をご検討の際は、ぜひ公認会計士にご相談ください。

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浦井亨税理士
税理士 浦井 亨 (うらい とおる)

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平成8年〜10年 大手住宅メーカー
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平成16年~平成19年 石田会計事務所(現税理士法人名古屋石田会計)
個人事業者・中小零細企業の起業支援、決算業務、HPを用いたマーケティングコンサル等に従事

平成20年~平成31年 掛川会計事務所・株式会社大阪真和ビジコン
大規模法人、富裕層の資産管理会社・不動産管理会社等を担当。その他富裕層の相続税申告業務等
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